ピルの開発から約100年

ピルの開発

1900年代の初めには、妊娠後の黄体ホルモンが排卵を抑えるということが証明されていました。
1921年にオーストラリアの医師はバーランドが妊娠した動物の卵巣から抽出したホルモン物質が経口避妊薬になりうると最初に考えました。しかし、宗教上の配慮からこのホルモンは産婦人科疾患の治療用に使われていただけでした。

 

1950年代になりキャサリン・マッコーミックとマーガレット・サンガーは化学者、生物学者、産科医らに避妊薬研究の援助を始めました。こうして開発されたホルモン剤は少数のボランティアを対象に試験が行われ、非常に避妊効果が高く、短期的な副作用はないことがわかりました。

 

1956年になるとプエルトリコで多数の女性を他使用に治験がおこなわれました。
ラモン・ガルシア・ライス・レイ(ピルの治験を担当した最初の医師)にようるもので避妊薬としての効果が非常に期待できる結果が得られました。
しかし、ピルに含まれるエストロゲンであるメストラノールという物質を不純物として取り除いてしまうと不正出血が増え、妊娠率も高くなってしまいました。

 

ピルの効果を上げて月経周期をコントロールするためには、少量のエストロゲンが必要であることがわかりました。

 

1960年にアメリカの食品医薬品局はエナビット10とよばれる最初のピルを認可しました。
このピルは現在のものと比べると非常にホルモン量が多く含まれて、最初のピルの一日分に現在のピルの一週間分のエストロゲンが含まれており、プロゲステロンの1ヵ月分になります。
ピルの服用には十分な医療関係者による管理が必要とされていて長期的な服用がどのような影響を与えるのかわからず、2年以上続けての服用はすべきではないとされていました。